会社案内

会社概要

社名	柿本商事株式会社
創業	1845年（弘化2年）
資本金	3,600万円
代表者	代表取締役　柿本　遼平
社員数	36名
事業内容	【メディアビジネス事業】 紙マテリアルビジネス/リテラシービジネス/メディアビジネス/SuperLocalism/FU & FO事業/京都柿本書房 【コンシューマービジネス事業】 紙司柿本/ふるさと納税

交通アクセス

●本店営業部

〒601-8121 京都市南区上鳥羽大物町19　 TEL:075-662-0131(代)

●本社	〒604-0915　京都市中京区寺町通 二条上ル<1F SHOP：紙司柿本＞ 　  〒604-8085　京都市中京区麩屋町通三条上る下白山町310番地     （現在店舗はこちらにて営業中。）   TEL：075-211-3481(代)

企業理念

紙を通して文化を創造する

万物の魂を宿るなら、命なきものにも心があるのではないか。そんな問いかけも、喧噪の世界を離れて考えれば次第に真実味を帯びてきます。

仏師は気から仏像を作り出すのではなく、木の内にある仏を見ながら余分な木を削ぎ落としていくと言われています。切り出された木も、鉱石も岩石も、自然界に存在する素材は、他者に変えられるのではなく、自らの意志で変化していくのです。

紙もまた同じこと。古くから人に強いインスピレーションを与え、姿形を変えさせ、文化発展の立て役者となってきました。 これからも人が予想だにしない強固な意志で、自ら無限の可能性を明らかにしていきます。

柿本家の歴史及び時代の変遷

柿本の歴史は遠く享保年間(1716年)に遡ります。当初は竹屋を生業として 『竹屋 長兵衛』『金蔵』の名で代々襲名。
御所の出入りも認められていたと聞き及んでおります。

江戸後期の当代 長兵衛は男子の子宝に恵まれず、親戚筋の柿本太平次の倅を養子縁組し、金蔵を襲名させました。
現在竹屋町通りと言う名が示す様に、この界隈は竹屋を生業とする地域だったと考えられます。
しかし、現在では夷川御幸町下ルに中川竹材店1件を残すのみとなり、しかもつい最近ワンルームマンションを建築し、一階のみで変らず竹屋の商売をされています。もう随分前になりますが家内が用事で中川竹材店に出向いた時や、弊社に来店された時に御主人から「柿本はんとこは、一早く紙問屋に変わらはって、ほんまに大正解や。先祖の人は先見の明があったんやなあ」と話して おられました。

文化文政時代(1804～1830)は、江戸幕府11代将軍徳川家斉の治世で、1837年将軍職を家慶に譲ったのちも家斉は大御所として幕府の実権を握っていた時代で、商品流通が進み、生活は豪奢放恣となって空前の繁栄を示しましたが、府や諸藩の財政は窮乏し、外圧(この頃すでに外国船が訪れ開国を要求し始めていました)も次第に厳しくなり、幕藩体制の矛盾は一層深化した時代で、政治・経済・文化の中心は上方から江戸に移り、町人文化が栄えました。
曲亭馬琴・式亭三馬・為永春水・十返舎一九らの読本・人情本・滑稽本や、鈴木春信・喜多川歌麿・東洲斎写楽・葛飾北斎らの浮世絵が流布し、歌舞伎では4世鶴屋南北が《東海道四谷怪談》等で大胆な風俗描写を試み、舞台技巧に新機軸を打ち出し、司馬江漢(洋風画家：始め鈴木春信に浮世絵を学び、後に平賀源内と関わり、蘭書によって独自の銅版画法を創製)や谷文晁(文人画)等、すぐれた作家を輩出、遊芸・芝居・遊里・絵画・通俗小説の流行は、一世を風靡し、その後明治初期まで、瓦版や引札が隆盛を極めました。この時代は、遊蕩的気分が強く、粋(いき又はすい)に象徴される世界や虚無的風潮を生んだ時代でもありました。

以上示した通り、化政期から明治維新までは現代で言うところの出版・版画印刷の為に沢山の和紙を必要とする需要が旺盛になっていった時代でありました。まさにその時代1845年に柿本は竹屋から和紙問屋に企業転換したのであります。但し、私の想像するかぎりにおいて、昨日まで竹屋をやり1日にして和紙屋になるとは考えにくいので、竹を売りながら和紙も売り、それが、時代の背景から竹より紙がよく売れた為、和紙問屋一本にしたのではないかと推測されます。因に初代 竹屋 長兵衛は小浜出身(越前は竹の産地)と言う記実が残っていることから、竹屋にまちがいないと考えられます。
では、柿本太平次の倅は京都府加佐郡の出身(原戸籍に明記されています)であるのに何故和紙問屋を開いたのかと考えると、やはり初代 長兵衛が小浜出身で、その筋から丹後、越前和紙等の取引をしたのではないかと考えられます。

紙屋川が鷹峯上流より北野天満宮の横を流れ、平安初期には紙屋院という官営の漉き舎が京都には存在し、後にその製紙工法を全国に伝授した為、今では紙屋院の存在した場所すら定かではありません。しかし、全国に和紙製造所があり、その時代〃で地域の産業を興したことには間違いありません。
越前和紙は、文人画や浮世絵に、富山県五箇荘あたりには薬袋和紙、九州八女は笠紙等数えればきりがないぐらい、全国的地域産業として隆盛を極めていたのです。

現在の私たちの初代 金蔵は明治5年に真野嘉兵衛の長女 志(・)げ(・)を嫁に迎え、金蔵が逝去したのち志げは81才の天寿を全うするまで、女手ひとつで現在(いま)の柿本の礎を築きあげました。
女系家族の柿本家は、二代目 さ(・)と(・)が婿養子 乙五郎と結婚(明治23年)。学究肌の乙五郎は、永きにわたり京都の紙商組合の組合長に就き、家庭裁判所の調停委員なども含め、多くの公職を務めておりました。
三代目 さだ(・・)は、商才稀にしてダンディーな藤次郎を婿養子に迎え(大正10年)、そして愛娘の芳子(・・)に富山県小矢部市石動から新太郎を婿養子として招き入れ(昭和18年)、五代目にして初めて男子が出生、嫁 悦子(恵都湖)を迎え入れ、六代目遼平は梓と結婚し、現在に至っているのです。